2020年12月31日
家族カードとは?メリットや作り方、クレジットカードとの違いを解説!家族の範囲や引き落とし口座は?
家族カードとは?意味や定義を解説
家族カードとは、クレジットカードの所有者が家族を名義人にしてカードを追加作成できるサービスのことです。契約者が持つカードを「親カード」と呼び、追加発行された家族カードを「子カード」と呼ぶ場合もあります。
「家族カード」というのは、安定した収入のある本会員(最初にクレジットカードを契約した人)がいれば、その家族もクレジットカードを利用できるサービスのことです。
家族カードを発行することで、専業主婦の妻やまだ学生で収入のない子どもの名義でカードを作れます。
なお発行されるカードは、親カードと同じ種類になります。そのため、親カードと同様の特典が利用できたり、同様のポイント還元率が適用されたりします。
おすすめの家族カードについて知りたい方は「【比較表】家族カードおすすめ人気ランキング|無料なのにお得な最強ファミリーカードはどれ?」をご覧ください。
家族カードの仕組み|クレジットカードとの違いは?
家族カードはクレカと同様に支払えるカードですが、通常のクレカと異なる部分も存在します。以下の表は両者の差をまとめたものです。
通常のクレカ | 家族カード | |
---|---|---|
審査基準 | 審査あり | 審査なし |
利用明細 | クレカごとに届く | まとめて記載される |
引き落とし口座 | クレカごとに別の口座 | 元のクレカと同じ口座(合算) |
利用限度額 | クレカごとに別 | 元のクレカと共有 |
発行枚数 | 1枚のみ | 複数枚の発行が可能 |
作成するべきか判断するためには、両者の差を理解することが大切です。家族カードの仕組みをチェックしていきましょう。
家族の対象範囲
どこまで家族とみなされるかは、クレジットカードによって細かい違いがあります。しかし以下に該当する場合は、対象範囲に含まれる場合が多いです。
- 配偶者
- 子ども
- 両親
- 本会員と生計を同一にしている方
なお同じ家に住んでいない場合でも、家族カードの対象範囲と認められることがあります。例えば、以下のケースが挙げられます。
- 一人暮らしの大学生に仕送りをしており、その大学生に家族カードを発行したい場合
- 留学中の家族がいて、その家族に対して家族カードを発行したい場合
またクレジットカードによっては、別姓の方を家族と認めている場合もあります。例えばオリコカードは、別姓・同性パートナーの配偶者も家族カードを作成できます。
審査基準
家族カードは基本的に審査はありません。そのため本会員の審査が最後まで終わっていれば、問題なくカードを作成できます。
家族カードは親カードに紐づけられる形で発行されるため、審査において重要となるのは本会員の経済状況です。申し込みと同時に利用限度額の増額などを申請しない限り、発行を断られる心配はないでしょう。
ただし家族カードを発行する予定のクレジットカードで、過去に問題を起こしていた場合、審査落ちする場合もあります。
例えば、楽天カードの家族カードを妻に発行しようとした場合、過去に妻が以下ケースに該当していたら、家族カードを発行できない恐れがあります。
- 長期間にわたる延滞をしたことがある
- 過去に楽天カードを強制停止された
家族カードの審査について詳しく知りたい方は「家族カードの審査が通らない6つの原因|落ちたのはなぜ?クレヒスがないと作れない?」をご覧ください。
利用明細(履歴)
家族カードの利用明細は、親カードとまとめて記載される形が一般的です。ただし、本人と家族のどちらが利用したかは判別できます。
しかし複数の家族カードを作っていた場合、家族の中で誰がどのくらい利用したかわからない場合があります。例えば、ヤフーカードの利用者の区分は本人・家族の2種類のみです。
またクレジットカードによっては、家族が自身の利用明細のみを確認できる場合があります。例えば三井住友カードの場合、ログインサービスのVpassに家族が登録することで利用明細をチェックできる仕組みです。
引き落とし口座
家族カードの引き落とし口座は、親カードの口座になります。親カードと子カードの利用分が合算され、親カードの銀行口座から引き落とされます。
カードごとに引き落とされるタイミングが異なることはありませんし、通帳への記載も1行のみです。
そのため、引き落とし口座の入金額が不足しないように気をつけましょう。入金を忘れていると、残高不足となり延滞につながる可能性もあります。
油断していると「知らないうちに家族が高額商品を購入していた」のような問題が発生することもあります。そのため、毎月利用明細をチェックするようにしましょう。
利用限度額
利用限度額は、親カードと子カードで共用されます。例えば限度額30万円のクレジットカードで、「親カードが12万円」で「子カードが4万円」ほど利用している場合、残りの利用額は合計14万円までになります。
家族カードの枚数を増やしても限度額が上がることはありません。別途増額を申請しなければなりませんが、その際は審査に通過する必要が出てきます。
そのため家族カードを申し込む場合、家族全員で使うことを前提にショッピング枠を決めなければなりません。普段の生活の中で1人あたりどれくらい利用するのかシミュレーションしてみてください。
発行枚数
発行できる家族カードの枚数は、クレジットカードによって異なります。
- ENEOSカード:最大8枚まで作成可能
- dカード:最大2枚まで作成可能
そのため家族カードを大量に発行したい場合は、以下のように対応しましょう。
- 家族カードを作成できる枚数が多いカードを選ぶ
- 2~3種類のカードを発行して、各カードの家族カードを発行する
また「国際ブランドによって、発行枚数が異なるもの」や「2枚目以降は年会費などの条件が変わるもの」もあります。
リクルートカード
国際ブランド | 発行枚数 |
---|---|
VISA | 8枚 |
JCB | 19枚 |
dカードGOLD
発行枚数 | 年会費 |
---|---|
1枚目 | 0円 |
2枚目以降 | 1,100円 |
そのため、必要となる枚数に応じて申し込むクレカを選ぶことが大切です。
家族カードのメリット
家族カードのメリットをフル活用するためには、まず利点が何なのかを理解しなければなりません。家族カードの主なメリットは以下4点です。
- 支払いの見える化で家計管理がしやすい
- ポイントが集約されるので貯まりやすい
- 家族全員がカード特典や付帯サービスを利用できる
- ゴールドカードの年会費が安い
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
支払いの見える化で家計管理がしやすい
家族カードは、家族全員の支払いが見える化するので、家計管理がしやすいです。
家族がそれぞれ別のクレカを持ち日用品の購入や通勤代のチャージなどをしていた場合、それぞれの明細をチェックして家計簿を付けなければなりません。また家族がクレカを持っていない場合、立て替える処理などが発生します。
しかし家族カードを利用した場合、家族全員の利用明細が1つにまとまるため、家族の支払い状況がすぐに分かります。そのため、家計管理が楽になります。
ポイントが集約されるので貯まりやすい
家族カード利用時のポイントは親カードに集約されます。例えば家族カードを4枚発行した場合、それぞれのカードを利用した際に貯まったポイントは全て親カードに合算されます。
そのため、家族が別々のカードを利用しているときと比べて、特定ポイントが貯まりやすいです。
また現金払いからカード払いに家族全員が切り替えることで、効率的にポイントが貯まります。
本会員と同様の特典や付帯サービスを利用できる
家族カードは、親カードと同様の特典や付帯サービスを利用できます。クレジットカードには、ポイントプログラム以外にもさまざまな特典があります。
- 優待店での料金割引
- 旅行中に死亡・傷害に対する保険
- 独自施設の利用権
それらの特典を家族カードも利用できます。そのため、年会費が有料のカードであっても、計算上の収支がプラスになるなら問題ありません。
ゴールドカードの年会費が安い
安い年会費でゴールドカードを持てる点も家族カードのメリットです。ステータスの高いクレジットカードは、一般のカードに比べて年会費が高額になります。
そのため家族がそれぞれゴールドカードを作成すると、毎年多くの費用がかかります。
しかしほとんどの家族カードの年会費は、本会員よりも安い金額になります。つまり通常より安いコストで、ゴールドカードの豪華な特典を利用できます。
またステータスの高いクレカは審査の難易度も高いので、審査落ちの可能性もあります。しかし家族カードの場合、例えステータスの高いカードだったとしても審査なしで作れます。
家族カードのデメリット
家族カードは何も利点ばかりというわけではありません。欠点も存在するため、それらを踏まえた上で利用してください。
家族カードの主なデメリットは以下4点です。
- 何を購入したか家族にバレる
- 子供や配偶者の使いすぎに注意
- キャッシュバックや入会ポイントが付与されない
- クレヒスが育たない
ここからは、各デメリットについて詳しく見ていきましょう。
何を購入したか家族にバレる
家族カードで決済すると、家族に何を購入したかバレます。
家族カードの利用明細は1つにまとめられて届きます。つまり、どこで何を購入したかが丸わかりになるわけです。
利用明細に店舗名のみ記載される店舗も多いため、詳細な買い物内容を伏せておける場合もあるでしょう。
しかし金額から高額商品を購入したことはバレますし、普段利用しない店舗で決済した場合も伝わってしまいます。
家族に内緒で買い物したい場合には、無視できない欠点です。そのため、自分のお金の使い方に文句を付けられたくない場合は、家族カードの発行を控えましょう。
子供や配偶者の使いすぎに注意
親カードと子カードの利用限度額は共通なので、子どもや配偶者の使いすぎに注意が必要です。家族が限度額を意識せずに使い続けていると、想像以上に早く上限に達してしまいます。
クレジットカードの限度額を少なめに設定していた場合、思うように利用できず不便に感じることもあるでしょう。また近いタイミングで高額利用が重なり、店舗で使えない事態に陥る恐れもあります。
なお家族カードの限度額は、個別に設定できないものが大半です。そのため、家族内で限度額の目安を話し合うことをおすすめします。
また「目安を超える買い物の際は事前に相談する」のようなルールを決めておくなど、使い方を工夫してトラブルを避けましょう。
キャッシュバックや入会ポイントが付与されない
家族カードを発行する際は、新規入会特典が付与されません。クレジットカードを新規発行した場合、さまざまな入会特典があります。
- 入会時に一定額のポイントがもらえる
- 入会後にカード利用分に応じて追加ポイントが獲得できる
- 入会後に期間限定でポイント還元率が上がる
家族カードを発行する場合、このような新規入会特典が付与されないケースが大半です。
ただしクレジットカードによっては、家族カード独自の入会特典を用意している場合があります。例えば楽天カードは、「家族カードの作成」「e-NAVI登録・利用」で合計2,000ポイントを獲得できます。
クレジットヒストリーが育たない
家族カードを利用しても、クレジットヒストリーは育ちません。家族カードをどれだけ利用しても、その履歴は本会員のものとして扱われます。
なおクレジットヒストリーとは、クレジットカードやローンの利用に関する情報・履歴を指す言葉です。クレジットカードの審査時に重要視されます。
もしクレジットヒストリーが皆無の場合、破産や強制解約の経験がある方と見分けがつかなくなるため、審査で不利な状況に置かれる可能性があります。
そのため、家族が将来的にクレジットカードを作りたいなら、家族カードのみの利用は避けた方が無難と言えます。
家族カードの作り方
家族カードを申し込むにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。以下の場合でそれぞれ手順が違います。
- 新規カード発行時に家族カードを作りたい場合
- 既存カードの家族カードを作りたい場合
ここからは、家族カードの作り方について見ていきましょう。
新規カード発行時に家族カードを作りたい場合
新規にクレジットカードを発行する際に家族カードを作りたい場合、以下手順で家族カードを発行できます(クレジットカードにより手順が異なります)。
- 新規クレジットカードを申し込む
- 申し込み時に「家族カードに申し込む」にチェックする
- 家族の情報を入力する
- 新規カード同時に家族カードを受け取る
複数枚の家族カードを申し込む場合、発行枚数に制限がかかる場合があります。
例えばライフカードは複数枚作成できるクレカですが、新規入会と同時に作成できる枚数は1枚のみです。そのため2枚以上作りたい場合、最初のカードが到着したあとで追加の手続きを始める必要があります。
また申し込む窓口によっては家族カードを同時に作成できない場合もあるため、注意事項をよく確かめましょう。
既存カードの家族カードを作りたい場合
既存カードの家族カードを作る場合、各クレジットカードのログインサービスから申し込む形式が多いです。
- 既存カードのログインページにアクセスする
- 家族カードの発行手続きをする
- 自宅に郵送されるので、カードを受け取る
審査は必要なく、申し込み専用ページに移行したあと家族の氏名や本会員との続柄などを入力するのみです。特に問題がない場合、カードが自宅へ郵送されてきます。
カードによっては、郵送手続きが必要な場合もあります。その場合は以下の手順で家族カードを発行します。
- ウェブサイトから申込書をダウンロードする
- 申込書を印刷して、必要事項を入力する
- 申込書をカード発行会社に送る
- 自宅に郵送されるので受け取る
ウェブサイトに申込書が公開されていない場合、カード会社に問合せましょう。
まとめ
家族カードとは、クレジットカードの所有者が家族を名義人にしてカードを追加作成できるサービスのことです。
家族カードは「使い道がバレる」や「クレヒスが育たない」などのデメリットがあります。しかし、以下のメリットもあります。
- 支払いの見える化で家計管理がしやすい
- ポイントが集約されるので貯まりやすい
- 家族全員がカード特典や付帯サービスを利用できる
- ゴールドカードの年会費が安い
家族カードを利用することで、生活費を見える化して節約につなげられます。また、子どもの金銭管理の感覚を養う意味でも活用できます。
さらに各種特典を利用できる点も見逃せません。特にゴールドカードの場合、豪華な特典を安い年会費で利用できます。そのため、家族カードを発行した方がお得なケースが多いです。
おすすめの家族カードについて知りたい方は「【比較表】家族カードおすすめ人気ランキング|無料なのにお得な最強ファミリーカードはどれ?」をご覧ください。