2021年1月31日

審査が甘い法人カード4選比較!審査基準や審査なしのカードはある?

審査が甘い法人カード4選比較!審査基準や審査なしのカードはある?
開業したので、法人カードが欲しいです!
それなら、スタートアップ企業でも申し込める法人カードをおすすめします。
でも審査が厳しそう…。
いいえ、そうとも限りません。甘い審査基準で、個人事業主や起業直後の法人でも通りやすい法人カードがあります。

この記事のポイント

  • そもそも法人カードとは何か?がわかる
  • 法人カードの審査には必要な書類がわかる
  • 法人カードの審査基準がわかる
  • 法人カードの審査に通るためのコツがわかる
  • 審査が甘い法人カードがわかる
この記事を読むと、審査の甘い法人カードと、法人カードの審査を通過するポイントがわかります。

そもそも法人カードとは?

法人カードとは、法人や個人事業主に向けて発行されるクレジットカードです。

法人カードのメリット 

  • 法人口座から引き落とせる
  • 利用限度額を個人カードよりも高く設定できる
  • 従業員にも追加カードを発行できる
  • ポイント還元や付帯サービスで経費削減ができる
    法人カードを作っておけば、支払いはすべて経費として管理できます。また、法人口座から自動で引落されるので、会計処理も簡便化できますよ。

    審査が厳しいように見える法人カードですが、

    • 審査基準が甘いカードもある
    • 法人格がなくても作れるカードもある

    と、実は審査基準もグレードもさまざまです。

    ちなみに名義は会社ではなく、法人代表者になります。カードが使えるのも名義人のみです。

    法人カードに申し込み前に揃えるべき書類

    法人カードの申し込みで求められる書類は、下記の4つです。

    法人カード申し込みの必要書類

    • (必須)法人代表者の本人確認書類
    • (必須)引き落とし口座
    • 法人の本人確認書類
    • 決算書類

      個人事業主を含めて、必須となるのは代表者の本人確認書類と、引き落とし口座です。

      残り2つの要否はカード会社や限度額で異なり、必ず求められるわけではありません。

      法人代表者の本人確認書類

      どの法人カードでも、代表者の本人確認書類は必須になります。

      • 運転免許証
      • パスポート
      • マイナンバーカード
      • 健康保険証
      • 住民票 など

      上記のうちの1つまたは2つのコピーが必要です。

      引き落とし口座

      法人格の場合は、法人口座に限定されます。

      個人事業主は、多く法人カードで「個人名義」「屋号付き」のどちらでも設定できます。

      法人の本人確認書類

      法人の本人確認書類とは、登記謄本(全部事項証明書)または登記事項証明書のことです。

      おおむね発行から3~6か月以内のものが求められます。

      登記事項証明書は、近くの法務局や支局などの登記所で取得できるほか、オンライン申請も可能です。

      (参考:法務局「オンライン申請のご案内」)

      • 窓口申請+受取(600円)
      • オンライン申請+窓口受取(480円)
      • オンライン申請+郵送(500円)

      なお、最寄りの登記所は法務局の案内ページから確認できます。

      個人事業主は、そもそも登記登録していないため、法人の本人確認書類は不要です。

      決算書類

      一般的に、企業なら決算書類、個人事業主なら確定申告書を求められます。2期分が多いようです。

      ただし、決算書類の提出は絶対ではありません。

      設立して間もない会社や、開業したばかりの個人事業主は、決算書類を出せませんよね?
      そんな方向けに、決算書類不要の審査が甘い法人カードがあります。

      決算書類がまだ出せない場合は、後ほど紹介する「審査が甘い」法人カードをおすすめします。

      法人カードの審査基準は?

      大前提として、審査基準はカード会社の機密事項です。

      「こうすれば審査に通る」という情報を出しているカード会社はありません。

      とはいえ、過去の事例から推測はできます。

      重要とされる審査ポイントは次の4つです。

      • 代表者の信用情報
      • 会社の信用情報
      • 設立年数
      • 財務状況

      代表者の信用情報

      代表者の信用情報(クレジットカードヒストリー)に傷があると、審査が通りにくくなります。

      「代表者の性質=会社の性質」と見られるからです。

      信用情報とは、下記の履歴です。

      • カードの利用歴
      • キャッシング利用歴
      • 銀行カードローン
      • 住宅・自動車ローン
      • 分割払いの状況 など

      返済の遅延をしたことがなくても、多額のローンが残っていたり、頻繁に借り入れをしていたりしたら注意が必要です。

      個人の信用情報だからと軽く考えず、支払い忘れなどは早急に対処しておきましょう。

      会社の信用情報

      会社の信用情報も厳しく見られます。

      というのも、法人カードは事業の支出に使うクレジットカードです。

      • 他の法人カードで支払い遅延はないか
      • 借入金の返済は順調か
      • 未払いはないか など

      経営悪化の兆候が見つかると、貸し倒れリスクが高いと見なされ、カードの発行が難しくなります。

      設立年数

      「設立から3年以上経っているほうが審査に有利」というのが通説です。

      確かに、歴史がある会社は安定していると言えますね。
      カード会社としても、未回収リスクが低く、安心してカードを発行できます。

      とはいえ、設立1年目でも作れる法人カードはあります。

      実際、3年以内に倒産する企業はそう多くない(*)ため、法人カード審査に設立年数は大きく影響しないとする意見もあります。

      (*参考:中小企業庁「中小企業のライフサイクル」109ページ)

      設立年数を気にするカード会社では、申し込み条件に年数の制限があったり、過去の決算書が求められたりします。
      そうじゃない法人カードもあるんですか?
      審査が甘いカードなら決算書は不要ですし、スタートアップ企業でも申し込めます。設立から3年以上だと選べる法人カードの幅が広い、くらいに思っておいてください。

      財務状況

      財務状況も審査基準の1つです。もちろん、赤字よりは黒字のほうが印象はよくなります。

      法人カードは、黒字決算が2年以上連続していることが1つの目安です。

      前年度が赤字だと、審査落ちしますか?
      いえいえ、ケースバイケースです。

      節税や役員報酬など、赤字決算にもさまざまな事情があります。

      単純に赤字か黒字かより、

      • キャッシュフローに問題がない
      • 安定して事業を継続できている

      上記2つが重要です。

      なお申し込み時には、前年の売上や経常利益などの記入が求められます。決算書通りに正確に記入しましょう。

      記入した数字と実際がずれていると、審査での印象がよくありません。正直に書きましょう。

      また、そもそも事業開始から日が浅く、前年の売上が書けないケースもあるでしょう。

      そういった場合でも、設立から申し込み日までの売上を書いて、法人カードが発行された例があります。

      申請書の項目通りに記入できないからと、空欄のまま出すことは避けましょう。

      記入方法がわからないときは、カード会社に問い合わせるのが確実です!

      法人カードの審査に通るためにできる6つのコツ

      会社設立・開業直後でも、法人カードが作れるのはわかりました。でも、やっぱり不利なんですよね?
      審査落ちの不安はありますよね。そこで、事業開始1年目でも審査に通りやすくするコツをご紹介します。

      審査を通りやすくするコツ

      • 事業関連のウェブサイトを開設する
      • 固定電話を引く
      • 屋号をつけて活動する
      • 代表者がステータスの高いカードを持つ
      • プロモーションで申し込む
      • 申込書の記入欄をすべて埋める

        上記をすべてやったからといって、必ず審査に通るわけではありません。

        しかし、少しでも審査落ちの可能性を低くしたい方は、試してみることをおすすめします。

        事業関連のウェブサイトを開設する

        事業に関連したウェブサイトを開設し、何の事業を行ってる会社か外から分かるようにしておくと、審査に有利です。

        もちろん、ただ開設しておけばいいわけではありません。

        • 会社概要ページなどで、代表者の氏名、オフィスの住所や電話番号といった情報が確認できる
        • 実績ページなどで、きちんと事業を行っているとわかる

        営業実態が見えることが重要です。

        なお個人事業主は、そもそも開業届を出していないと審査落ちの原因になります。

        税法上は、開業届を出さないと個人事業主として認められません。

        事業開始1年目はつい後回しにしがちですが、カードを申し込む前に忘れず開業届を提出しておきましょう。

        固定電話を引く

        事業用の固定電話があると、審査に有利です。

        少人数の法人や個人事業主だと、わざわざ固定電話を引いていないことも多いでしょう。

        しかし、固定電話は連絡が付きやすく、住所確認もしやすいため、カード会社からの信頼が得やすくなります。

        でも実際は、代表者の携帯番号を使っている会社も多いですよね?
        固定電話がないから審査に落ちたのでは?という事例はあるものの、絶対ではありません。しかし、事業用の固定電話があると、カード会社からの信頼が得やすいのは確かです。

        屋号をつけて活動する

        個人事業主の場合、屋号を付けるかは任意のため、個人名で活動している方も多いでしょう。

        法人カードは屋号がなくても作れますが、屋号には事業実態を補強する面もあります。

        固定電話ほどではありませんが、無いよりはあったほうが安心です。

        代表者がステータスの高いカードを持つ

        法人の代表者が、ゴールドやプラチナのようなステータスの高い個人カードを持つことも、審査に良い影響があります。

        これは、審査で代表者の信用情報が確認されることに関係します。

        ステータスの高いカードは、審査も厳しく、限度額も高額です。

        そのようなカードを問題なく利用できている人が代表なら、信頼できると見てもらえます。

        無理して持つ必要はないですが、グレードアップを考えているなら、法人カードを作る前にやっておきましょう。

        プロモーションで申し込む

        プロモーションとは、空港や銀行などで行っているカード会社の入会促進活動のことです。

        営業ノルマが設定されているため、通常の窓口から申し込むより審査が甘い傾向にあります。

        プロモーションて、個人カードの勧誘じゃないんですか?
        基本はそうですが、法人カードが申し込めることもあります。その場で聞いてみましょう!

        申込書の記入欄をすべて埋める

        申込書の必須項目以外も、すべて埋めましょう。

        参考になる情報は多いほうが、カード会社も審査しやすくなります。

        審査に無意味な記入欄は、カード会社も作りませんよね。
        審査落ちの可能性を減らすため、すべて記入することをおすすめします。

        審査が甘い法人クレジットカード4選比較

        審査基準をみると、通るか不安になります。
        確かに、審査基準が厳しく、通りにくい法人カードも存在します。でもその反対に、審査が甘い法人カードもありますよ!

        審査に甘い法人カード4選

        • 三井住友ビジネスカード for Owners
        • NTTファイナンス Bizカード
        • ライフカードビジネス(スタンダード)
        • セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

          上記4枚は決算書類が不要で、設立年数に関係なく申し込めます。

          項目三井住友ビジネスカード for OwnersNTTファイナンス Bizカードライフカードビジネス(スタンダード)セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
          国際ブランドVISA
          MasterCard
          VisaVISA
          MasterCard
          JCB
          American Express
          年会費

          (税込)

          1,375円~

          *初年度無料

          無料~無料22,000円
          従業員カードの年会費

          (税込)

          440円~無料~無料3,300円
          ETCカード年会費

          (税込)

          無料

          *利用無しの場合は翌年度550円

          550円無料無料
          ポイント還元率0.5~2.5%1.0%なし0.1~0.2%
          貯まるポイントVポイントBizポイントなし永久不滅ポイント
          付帯保険海外旅行
          国内旅行
          ショッピング*カードの種類による
          海外旅行
          国内旅行
          ショッピング
          なし海外旅行
          国内旅行
          ショッピング
          空港ラウンジあり

          *ゴールドとプラチナのみ

          あり

          *ゴールドのみ

          なしあり

          三井住友ビジネスカード for Owners

          三井住友ビジネスカード for Owners

          このカードのポイント

          • 初年度の年会費無料
          • 登録した店舗(3つまで)のショッピングは+0.5%還元
          • iDなどの電子決済に対応
          • スタートアップ企業も歓迎している法人カード

            クラシック(一般)、ゴールド、プラチナがあり、どれも代表者の本人確認書類のみで申し込めます。

            特にクラシックは、十分なスペックでありながら審査が甘いと有名です。

            • 他のカードで審査に落ちた方
            • 事業用にまず1枚欲しい方

            には、特におすすめです。

            for Ownersカードは、三井住友ビジネスカードの低ランクカードになります。本家の審査基準に満たない方への受け皿的な位置づけのため、甘い審査で通してくれます。

            NTTファイナンス Bizカード

            NTTファイナンス Bizカード

            このカードのポイント

            • レギュラーカードは年会費が完全無料
            • 高還元率1.0%
            • 付帯サービス・付帯保険が充実
            • 貯めたポイントは支払いにもあてられる

              レギュラーとゴールドがあり、どちらも代表者の本人確認書類と登記事項証明書で申し込めます。

              年会費無料のレギュラーでも、旅行保険は手厚く、Amazon Buinessが利用できるなど付帯サービスも申し分ありません

              限度額が80万までと小さく、またカード会社のシェアも低いため、審査が甘いと言われています。
              会員数を増やすために、甘い審査基準にしているってことですね。

              ライフカードビジネス(スタンダード)

              ライフカードビジネス(スタンダード)

              このカードのポイント

              • 年会費が本カード・追加カードともに完全無料
              • ETCカードの年会費も無料
              • VISAビジネスグルメオファーなどの付帯サービスが充実
              • カード限度額最大500万円

              代表者の本人確認書類と登記事項証明書で申し込めます。

              ポイント還元や付帯保険がないものの、ビジネスで役立つサービスが充実しており、シンプルに「使える」法人カードと言えます。

              ただし、限度額によっては決算書類が必要です。

              • 限度額200万円未満:決算書不要
              • 限度額200万円以上:2期分の決算書が必要

              最初は審査に通りやすいよう小さめの限度額で申し込み、カードが発行されてから枠を広げましょう。

              ライフカードも業界シェアが冴えないため、限度額が小さいうちは甘い審査になると考えられます。

              セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

              セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

              このカードのポイント

              • 年間200万円以上のショッピング利用で、次年度の年会費が半額
              • 永久不滅ポイントはギフト券など交換先が豊富
              • 最大還元率1.125%でJALマイルが貯まる
              • プラチナならではの上質な特典付き

                代表者の本人確認書類のみで申し込めます。

                SAISON MILE CLUBに登録すると高還元率でJALマイルが貯まるため、陸マイラーの方にも人気のカードです。

                年会費はかかるものの、それ以上に充実した特典が付いています。

                • 国内空港ラウンジ利用可能
                • 海外空港ラウンジのプライオリティ・パスに無料で登録できる
                • 24時間対応のコンシェルジュサービス付き など

                プラチナカードをコスパよく持ちたい方、出張の多い方には最適です。

                プラチナなのに審査は甘いんですか?
                外資系カード会社は、初年度から年会費をしっかり取り、開始時の限度額を低く抑えることで、未回収リスクをコントロールする傾向があります。
                「甘い審査で発行するから、年会費はしっかり納めてね」ってことですね。

                審査がない法人クレジットカードはある?

                審査なしで発行される法人カードはないですか?
                残念ながら、ありません。でも法人プリペイドなら、審査なしで発行できますよ。

                クレジットカードは、利用者に代わってカード会社が代金を立て替えるシステムになっています。

                そのため、利用者の与信審査、つまり返済能力のチェックをしないクレジットカードはありません。

                しかし、先払い制のプリペイドカードなら複雑な審査なしで発行されます。

                • 会計処理を簡便化したい
                • 現金管理をわかりやすくしたい
                • 「審査が甘い」と言われる法人クレジットカードの審査に落ちた

                上記のような方なら、法人向けプリペイドカードをおすすめします。

                例えば、MasterCardブランドのプリペイドカード「Bizプリカ」なら、月額100円で使えて発行手数料は無料、発行枚数の上限もありません。

                審査が甘い法人クレジットカードまとめ

                発行までの審査が厳しいイメージのある法人カードですが、実は審査に甘いカードも存在します。

                審査に甘い法人カード4選

                • 三井住友ビジネスカード for Owners
                • NTTファイナンス Bizカード
                • ライフカードビジネス(スタンダード)
                • セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

                上記4つの法人カードは、

                • 「設立してすぐの法人」「開業したばかりの個人事業主」でも申し込める
                • 決算書や確定申告書の提出が不要
                • 年会費が無料または安い

                と、特に事業を開始したばかりの方に最適なカードとなっています。

                4枚のうち、どれがおすすめですか?

                バランスの良い1枚が欲しい方向け

                • 三井住友ビジネスカード for Owners

                手数料無料でビジネスカードを持ちたい方向け

                • NTTファイナンス Bizカード
                • ライフカードビジネス(スタンダード)

                コスパよくプラチナカードを持ちたい方向け

                事業にあったカードを選びたいですね!

                なお個人事業主の方には、こちらの記事でフリーランスでも通りやすいカードを紹介しているので、参考にしてください。